2018年5月のW3C AB選挙についての考え
W3CのAdvisory Board (AB)は今月選挙を実施しています。ここに候補者リストと彼らの声明があります。ABの役割は、戦略、管理、法的問題、プロセス、紛争解決の問題について「チームに継続的なガイダンス」を提供することです。
この選挙では、7人の候補者から5人が選ばれます。(Microsoft の Michael Champion、Alibaba の Hongru Zhu、Yandex の Charles McCathie Nevile、GSMA の Natasha Rooney は来年まで議席を保持します)
私はこの選挙に投票権がありませんが、いくつか意見はありますので、ここに私の候補者の優先リストをあげます。
- David Singer および Florian Rivoal
- Tantek Çelik
- Tzviya Siegman および Chris Wilson
- Léonie Watson および Jay (Junichi) Kishigami
その理由は次のとおりです。
- 私の一番の選択肢は Florian Rivoal と David Singer です:
Florian は、Opera Software の元社員で、Daniel Glazman によりノミネートされ、この選挙では講談社と日本の出版業界に支えられており、ブラウザベンダーと出版業界の両方、西洋と東アジアの両方の文化・産業、そして企業と個人の両方のW3C参加において、重要で有意義なつながりを持っています。W3Cで、有能なスペックエディターであり、有能なAC代表でもあったことは、日々の技術作業でのW3Cプロセスの実際的な効果とW3Cの全体的な活動のより高いレベルの視点の両面での深い理解を彼に与えています。Florian が持っているような、W3C内での最近の活発な経験と、そのうえ異文化間および異業種間のつながりを持つ候補者は、文字通り、他に誰もいません。
(そして、マイナーなポイントですが、数年間をビジネスサイドの勉学とその仕事に費やしてきたことも、AB上で役に立つかもしれません。)
最後に、Florian は W3Cの招待エキスパートとして、多くの人がW3Cが解決することを望んでいる資金調達の問題に関するガイダンスを提供する資格があることは明らかです。(私自身も招待エキスパートとして、実際にそのポジションを経験して本質的に問題とその解決策を理解している人がこれを手掛けるほうが、それを実際には経験していない人々がやるよりもよいと思います。)
標準化団体の経験が長くて深い歴史を持つ David Singer は、W3CがWebの標準化を行うために機能する場所であることを大いに気にかけているようです。ABの現職者であり、W3Cを改善するために、特にW3Cプロセスを更新する際に、ABを穏やかに着実に導く必要な仕事をしてきました。私は、ABの仕事の連続性にとって、彼がその役割にとどまることが重要だと思います。
私はまた、ABがブラウザ業界からの重要な代表者を持っていることが大事だと思っています。そして、Appleの代表として、David Singer はこの観点のいくつかを提供しています。
- Tantek はこれまで 5年間 ABの重要なメンバーでした。彼は、堅苦しくて閉鎖的だった組織の中で、透明性と進歩をラディカルに主張してきました。
Florian と Tantek はどちらも同じような目標を持つ強力な改革者です。Tantek は、W3Cでの経験が豊富で、組織的な論争をしてきています。これは Florian に勝る優位性です。それは、私が、Tentek がもしも選出されなくてもABに影響を与えることを期待してるということでもあります。私は Florian と長年のABメンバーたちが、彼のアドバイスを受け取るだろうと確信しているし、彼はとても意見のある人なので沈黙を保つとは期待しません。 :) 私は Tantek の努力を全面的に支持してますが、Tantek の優れた職務遂行能力とフロリアンがもたらすことができるさらなる表現との間では、David Singer と Florian の後に Tantek を置きます。
(また明確にすると、5年前であれば、Tantek は私のリストの一番上に置かれていました。それは多くの点で、Tantek の激しくないが献身的な努力が、W3Cが組織として進化するのを助けることができるためです。)
Googleは既にW3Cのヘビー級選手なので、私は Tantek と David Singer の後ろに Chris Wilson を置きます。組織としては、特にAB代表を通じて影響力を増す必要はありません。(より関与の高いAdvisory Committee (AC)代表から利益を得るかもしれませんが。)
しかし、W3Cのグループは実際の仕事をしようとする人たちによってだけ機能します。そして、Chris Wilson はW3Cの構造を改善し、その完全性を脅かすナンセンスに対して迅速に対処するための Tantek の努力の必要なパートナーでした。
Tzviya はIDPFの合併を通じてW3Cにきて、そこでEPUBの標準化活動の中心的リーダーとなっています。私は Tzviya の能力にあまり精通していませんが、彼女は彼女がしているすべてのことで *非常に有能* であると保証されています。彼女は強力な組織力とリーダーシップ能力を持っているようで、電子出版業界とW3Cとの深いつながりを持っています。しかし、特にABにおいては、Florian / David Singer / Tantek の下に彼女をランク付けします。なぜなら、彼らは何をする必要があるのか、それをどうするのかをより明確に考えているからです。
Junichi や Léonie のABに関する活動については、公開される記録は少なく、他の現職者たちよりも活発ではないということ以外を知ることができません。彼らが追加的な視点からコメントを提供する限り、彼らの参加を得ることは有用でありえます。しかし、この次のサイクルであるABは、重い話題をたくさん扱うことになるでしょう。だから私はこの2人の上に他の候補者たちを配置します。
この選好のセットが実際の投票に最もよいかどうかはわかりません。上記リストのペアの候補者間の順番は、私が人々と話し合って、もっと考えることで変わります。(W3Cがミーク法を使用することについての bkardell の懸念 と、投票者の1番の選択以外のものを強く否定評価したり 無視 したりする方法についても参照してください。) ですが現時点では、Florian、David Singer、Tantek、Chris Wilson、Tzviya、Léonie、Junichi の順に投票し、最初の5人の候補者はすべて十分なサポートを受けることを願っています。しかし、私が確かに言うことの1つは、より多くの企業が情報に基づいた投票をするほど、結果はより良くなるということです。あなたのAC代表に候補者たちのことを学んだうえで投票することをお勧めしてください!